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大腸ポリープ切除

大腸ポリープとは

大腸ポリープとは

大腸ポリープは、大腸の粘膜が突出して形成される腫瘍で、正確には「大腸腺腫」と呼ばれます。この大腸腺腫は、放置するとアデノーマ・カルチノーマ シークエンスという一連の変化を経てがんへと進行する可能性がある前がん状態です。腺腫の約10%ががん化するとされています。

大腸ポリープがあっても、通常は自覚症状がありません。ポリープが一定の大きさに成長すると、便との摩擦や消化管の動きによって、出血を引き起こすことがあります。この出血は便潜血検査で陽性反応を示すことがありますが、ポリープが小さい場合は検査で陽性にならないケースもあります。そのため、便潜血検査の結果が陽性であればもちろん、陰性であっても大腸カメラ検査を通して経過を観察することをお勧めしています。

内視鏡で大腸ポリープを切除すると、大腸がん発症率を70〜90%削減できるとされています。このため、40歳や50歳などの節目に大腸カメラ検査を受けることを推奨しています。

日本では、若年層でも大腸ポリープや大腸がんが増加している傾向にあります。近年の検査技術の進歩により、以前に比べて検査の苦痛が大幅に軽減されており、若い世代でも検査への抵抗感が低下しています。大腸ポリープの切除を検討されている方、受けたいけど不安を抱えている方は、電話や直接の来院を通じて、お気軽にご相談ください。

大腸がんの順位は何位?

日本では、現在人口の約半数ががんに罹患すると推測されています。がんによる死亡率に関しては、女性の場合、大腸がんが最も多いとされています。
がん発症の可能性が高い臓器としては、大腸が最も上位にあり、次いで胃、肺、乳房、前立腺の順になっています。これにより、大腸がん発症者が多いということが分かります。

がん疾患の死亡順位

順位 がん疾患
第1位 肺がん
第2位 大腸がん
第3位 胃がん
第4位 脾臓がん
第5位 肝臓がん

早期大腸がんとは

早期大腸がんは、大腸の粘膜に発生する悪性の腫瘍性ポリープを指し、がん細胞が粘膜層や粘膜下層にとどまっている状態です。この段階の大腸がんは、自覚症状がほとんどなく、知らず知らずのうちに病状が進行し、発見時には進行がんに至っているケースも少なくありません。
症状が目立たないため、まずは年に一度の頻度で検査を受けると良いでしょう。
定期検査により、がんを早期に発見しやすくなります。また、小さな大腸ポリープであれば、検査中にその場で切除することが可能です。

大腸ポリープの原因

ライフスタイル

生活様式の変化に伴い、大腸がんの患者数が増加しています。特に食生活の変化が大腸がんの発症に密接に関連しているとされています。
欧米型の食習慣による食物繊維の不足や、脂肪分や動物性タンパク質の摂取増加が大腸がんのリスクを高めていると考えられています。

遺伝的要因

P53遺伝子、K-ras遺伝子、APC遺伝子の変異が、大腸ポリープや大腸がんの発生に関与していると言われています。
特に、家族歴に大腸ポリープや大腸がんがある方はリスクが高いため、定期的な大腸カメラ検査を受けることが望ましいです。

大腸ポリープによる症状・大腸カメラ検査の重要性

大腸ポリープは通常、痛みや違和感を伴わずに成長しますが、一定の大きさに達すると硬い便によって損傷し、出血を引き起こすことがあります。この出血により、便潜血検査で陽性反応を示すことがありますが、ポリープが小さい場合や便が柔らかい場合は陰性となることもあります。
便潜血検査で陽性となった場合、一番発見されることが多いのは痔ですが、大腸ポリープの発見も珍しくありません。特に腺腫タイプのポリープは、放置すると大腸がんへと進行するリスクがあるため、検出され次第、除去することが推奨されます。
大腸カメラ検査は、盲腸から直腸に至るまでの大腸全体を詳細に観察できる唯一の方法であり、前がん病変であるポリープや早期の大腸がんを発見するのに非常に有効です。

大腸カメラ検査

早期発見・治療・予防を通してQOLを維持しましょう

大腸がんの死亡率は上昇傾向にありますが、大腸カメラ検査を通じて前がん病変や早期のがんを発見し、切除していけば、大腸がんの治療と予防を行うことは可能です。
大腸がんが進行すると、日常生活や職業活動に重大な影響を及ぼし、最悪の場合は生命を脅かすことにもなります。

しかし、無症状の早期段階で発見されれば、日常への影響は最小限に抑えられます。40歳を超えると大腸ポリープの発生リスクが高まるため、定期的な大腸カメラ検査を受けることをお勧めします。

大腸ポリープや早期大腸がんを切除する方法

大腸カメラ検査では、見つかった病変をその場で取り除くことができます。切除した組織は病理検査に送られ、確定診断が下されます。
この検査は診断と治療を同時に行うことが可能で、特に前がん病変である大腸ポリープを切除できれば、大腸がんの予防にも期待できます。
大腸ポリープ切除は日帰り手術で可能であり、約10〜20分で完了します。これにより、別日に手術を予定する必要がなく、検査前の食事制限や下剤の服用も一度で済むため、患者様の負担が軽減されます。
ただし、ポリープの形状、数、サイズによっては、入院しての手術が必要な場合もあります。
その際は、当院の医師が所属する連携医療機関や高度医療機関への紹介を行い、スムーズかつ適切な治療を受けられるようサポートします。

ポリペクトミー

内視鏡の先に取り付けられた「スネア」と呼ばれるワイヤーループを使用して、ポリープを捕えます。
その後にスネアを締めて高周波電流を適用することで、ポリープを焼灼しつつ切除します。電気メスのように電流によって焼灼するため、出血を抑える効果があります。
ただし、熱が深部に伝わることで、手術後に穿孔(へんとう)、出血、炎症などの合併症が起こるリスクも伴います。

コールドポリペクトミー

スネアを使って物理的に大腸ポリープを切除する手法です。この方法では電流を使用しないため、手術後の穿孔、出血、炎症のリスクが低減されます。
ポリープの除去時には出血することがありますが、通常は時間が経過すると自然に止血します。

内視鏡的粘膜切除術

形状がなだらかで、スネアを直接かけることが困難なポリープに適用される方法です。
ポリープの基底部に生理食塩水を注入してポリープを盛り上げ、スネアを容易にかけることができるようにします。通電しても、生理食塩水が熱伝導を防ぐため、安全にポリープを切除できます。

全周切開内視鏡的粘膜切除術

大きく平坦なポリープを切除する際に用いられる手法です。まず、ポリープの下部に生理食塩水を注入して膨らませ、その後、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)と同じ方法で粘膜を切開します。
これによりスネアがポリープにかけやすくなり、高周波電流を流しながらポリープを切除します。
約2cmの大きなポリープも、ほぼ一度の手術で適切に取り除くことが可能です。切除後の傷口が大きい場合には、クリップで閉じることで治療を完了します。

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)

粘膜内に位置する早期大腸がんや、広範囲にわたる平坦ポリープの治療に有効な方法です。
この技術は、内視鏡的粘膜切除術(EMR)に似ていますが、電気メスを使用して病変を周囲から慎重に剥離する点が異なります。これにより、比較的大きな大腸がんも腹部を開かずに取り除くことが可能です。
現在は一部の高度医療機関でのみ実施されていますが、将来的には広く行われる治療法になると期待されています。入院が必要なため、この施術が必要な場合は紹介いたします。

切除後での注意事項

大腸カメラ検査によるポリープの切除は通常、日帰りで行うことができますが、手術には合併症が伴うリスクが存在します。
手術後はご自宅で安静にして過ごし、医師からの指示に従いながら1週間過ごしていただきます。指示通りに過ごしていただけますと、穿孔(へんとう)や出血などの合併症リスクが低減できます。
また、手術後1週間は長距離の移動を避ける必要があるため、検査後の1週間は旅行や出張の予定を立てないようにしてください。

入浴

手術当日はシャワーのみにしてください。翌日から通常の入浴が可能です。

食事内容

術後から数日間は、刺激の強い香辛料や脂肪分の多い食事を避けてください。

飲酒制限

医師が指定する期間中は、アルコールの摂取を控えてください。

運動制限

腹部に力を入れる運動や激しい運動は、医師からの許可が出るまで避けてください。

遠出に関する制限

手術後は、腸への負担を避けるために、車や公共交通機関を利用した長距離移動を控えてください。特に飛行機は気圧の変化により出血のリスクが高まるため、短時間であっても避けるべきです。

また、遠方への移動は、何かあった際の対応が困難になる可能性があるため、手術後約1週間は長距離の移動、出張、旅行のスケジュールを入れないようにしてください。

大腸ポリープ切除にかかる費用

  1割負担 3割負担
大腸ポリープ切除 約11,000円~13,000円 約32,000円~39,000円